双眼鏡列伝 巻六 ニコン ミクロン6×15

 ミクロンが続いたこのシリーズの取を務めるのは御本家ニコンのミクロン6×15です。復刻版と銘打っての発売でしたが,勿論昔のままではなく現代の技術で蘇ったと言う奴。まぁ今風の作りです。これがまた実にかっこ良いのですよ。ミクロンと言えばその総金属製の外観が特徴。逆ポロ式とも言われる対物レンズが目幅より狭いこの形式。双眼鏡と言えば目幅より対物レンズが広いので立体感が強調されると教科書には書いてありますが,そんな事にはお構い無しにしっかり立体感が得られます。どこかに左右の鏡筒の微妙な倍率の差を脳が立体感と勘違いしていると読んだ事が有ります。本当かどうか分かりませんが。
 それはさておき、コンパクトなこの双眼鏡はどこかへお出かけする時に一番重宝する双眼鏡です。以前のエントリーでも書いた事が有ったと思いますが,運動会に行った時同じ格好をした大勢の子供の中から自分家の子供を捜してカメラでパチリとやるときは,まず双眼鏡で探して,その後写真を撮るというのが一番です。写真撮らないときもやっぱりこれが一番。珍しいその外観は周りの奥様方にも評判です。(^^)
 あと良いのがその合焦距離の短さを生かした博物館等での展示品の観察です。近くに寄れない展示物を手に取るように見る事が出来ます。これは良いです。欠点は、他のミクロンにも言えるのですが,その美しいアルミの地肌に傷がつくのが嫌なので必要以上に恐々扱ってしまうこと。双眼鏡なんて道具なんだから、と割り切っている私ですらこれですから、物を大切にする方はヒヤヒヤなんじゃないでしょうか?
 そうそう、肝心の見え方ですがスッキリした抜けの良い像を見せてくれます。なんて言うかカチッとした印象。倍率が6倍と低いからと言う事も有るのでしょう。視野も特に広くはないので、周辺までしっかりした見え方です。ちゃんとした双眼鏡です。星を見ると7等台までしか見えないのですが,これはしょうがないでしょう。7倍の黒いのも有るのですが,あれも格好良いなぁ,欲しいなぁ。