初心者が変光星観測を長く続けるには?

 みたいな感じで先日の変光星観測者会議の座談会の時に話題提供が有りました。ベテラン観測者のSomさんからどういう観測対象を選んだら良いかとか、同じく大ベテランのNtsさんからは、目測をあんまり厳密に考えるな。Take it easyや(意訳)。とのアドバイスがありました。私もNtsさんに賛成です。あと流行りの星をやると面白いよ、とも。今ならχCygとかR Sctとかでしょうね。みんな見てますから、MLでもその話題で盛り上がれて楽しいですし。
 翻って私が変光星観測を始めた時のことを考えてみました。今ではどっぷりはまっているこの私ですが、最初は五里霧中でした。観測方法については皆さんのHPに詳しく解説してあったので困りませんでした。星図も当時でも日本変光星研究会やAAVSOのHPからダウンロードできましたし。
 で、何が一番困ったかと言うと、どの星を見たら良いのか?です。解説には変光星は沢山あるんだから自分の興味のある星を見たら良いよ、と書いてあるのですが、初心者にそんなこと言われても困ります。右も左も分からないのですから自分が何に興味があるなんか分かりません。取り敢えずこの星を見とけ!と言ってくれたほうがよっぽど助かります。結局私の場合R Leoでした。極小が10等ちょいなので、たとえ極小でも10cm双眼鏡で見えるだろうと考えてのことでした。2003年4月のとある日の事のことです。あれから十年かぁ。
 という訳で、取り敢えずこれ見とけって星です。この夏のやつ。

R Sct

なんと言ってもこれでしょ。RV Tau型の代表星。歴史的極小の今ですし、極小が終わってこれからぐいぐい増光してくれるでしょう。副極小を挟んで次の11月頃の主極小も大いに期待出来ます。

X Cyg

 夏の見やすいケフェウス型ならこれ。5.9等〜6.9等を16日で変光しています。導入も簡単だし、夏休みの宿題にもってこいです。

R Cyg

ミラ型ならこれなんかどうでしょう?7月末が極大です。極大等級が6.1等。今は未だ11等くらいですが、これから急激に明るくなってくるでしょう。夏休みに増光から減光まで双眼鏡で追いかけられます。多分。と言うかミラ型の状況も調べるにはこのVSNET Mira-circularが便利です。9等台に明るくなってきたら青で表示されますし、7等台になって双眼鏡で見えるくらいの明るさだと赤で表示されます。ひと目で分かって便利です。

R Cas

 カシオペア座なので秋の星座なのですが、変更範囲4.7等〜13.5等で9月下旬が極大です。今10等位ですからこれから観測を始めれば雄大な光度曲線が描けます。

T Her

 T Herも7月に極大です。ヘルクレスの左の手首のところにある星。カタログ上の極大は6.8等。周期が短いですから変光も早いので見てて楽しい星です。

R Ser

へび座の頭にあるこの星も8月が極大。5.2等って書いてますね。梅雨が開けたらご近所のR Her共々見ておいて損はないでしょう。

SS Cyg

 大きめの双眼鏡や小型望遠鏡が使える人にぜひ見て貰いたい星です。UGSS型の代表星。矮新星です。普段は12等星なのですが、月に1回くらい8等級に増光して数日間光った後また元の明るさに普段なにもない所にある日突然ピカっと光っている姿を見るのは感動ものです。個人的には一押しです。

あと、減光しだしたχ Cygも外せないな。代表的な食変光星のβ Lyrを忘れてるぞ!と言われそうなのですが、あれって目測が難しいんですよね。私苦手です。食変光星は秋のRZ Casとアルゴルまで待ってください。でも、今流行のデジカメ測光ならいけますよね、β Lyr。どなたかやってみてください。て言うか私もやってみよう、オリンパスのカメラが余ってるから三脚固定で撮れるよね。