さてそろそろいるか座新星も暗くなってきた

 と言うわけで皆さんの観測だと6等台後半まで落ちてきたようです。まぁ普通だとまだまだ目も眩むような明るさなのですが、極大が4等台でしたし、新星初心者の皆さんもご覧頂いていますから、今までのように小さな手持ち双眼鏡でも簡単に見えるよと言うわけにも行きません。そろそろ暗い星を見るノウハウを書いておいたほうが良いでしょう。
 手持ち双眼鏡だとどうしても手ブレがしてしまうので暗い星が見にくいです。7等辺りまでは何とかなりますが、それ以下だと苦しいです。肘を何かに乗せてみたり、壁にくっつけたりと努力されていらっしゃると思いますが、それでも中々ピタッと止まってくれません。それを解決するにはやはり
①防振双眼鏡を使う
②双眼鏡を三脚に固定する
③望遠鏡を使う
と言ったところでしょう。
この内①の防振双眼鏡は手軽かつ絶大な威力です。お持ちの方はこれまで通り手持ちで観測できるでしょう。でも値段が高いので一般的ではないです。
お薦めなのが②の三脚の使用です。三脚はお手持ちのビデオ用などで十分です。出来れば立って観測できるように足が長く伸ばせるものが良いですが、短いものでも三脚ごと台に載せたり、座って見れば良いですから、取り敢えず有るもので構いません。双眼鏡を三脚に固定するためにはちょっとした道具が必要です。ビノホルダーというもの。アマゾンでも販売店でも1000円台で売ってますから是非ご用意下さい。もし無くても軽い双眼鏡ならガムテープででも何でも固定してやればよいのです。
三脚に固定してみる星空は手持ちとは別世界のような視野が広がっています。手持ちでグラグラ揺れる視野だと暗い星が見えません。固定してやると星が点に見えるのです。散開星団*1など見た日には暫く見入ってしまうくらい美しく見えます。点に見えすぎて視野周辺部の星像の悪さが気になってしまう*2と言う弊害も有りますが。さらに利点としては星図と見比べるのに便利というもの。そして更に便利なのが他の人に同じ視野を見せて上げられるというものです。
三脚に固定した双眼鏡でも導入の仕方は特に変わることは有りません。一発で導入できればそれで良し、近くの明るい星からたどる場合でも同様です。今回は皆さん明るい頃から見慣れておられると思いますから大丈夫と思いますが、初めての方は星図を頼りに近くの明るい星、今回だとや座やいるか座からたどると思います。たどる時は欲張って一気に視野を動かそうとせず、少しずつ星を確認しながら視野を動かすことが大切です。一歩進んでは一歩下がり次に二歩進むような慎重さが結局は一番確実かつ早く導入できるコツです。これは新星や変光星に限らず星雲星団でも同じですね。あと、前にも書いたことがあると思いますが、目測をする時は新星(変光星)と比較星を水平にしなければいけません。これは目の感度が視野の上側よりも下側が高いから。つまり同じ星でも視野の上にいる時よりも下にいる時の方が明るく見えてしまうのです。水平になるように頭を右に傾けたり左に傾けたりと言ったことが必要です。正確な目測のコツです。
双眼鏡の話はこの辺にして、次回望遠鏡を使った場合を書きましょうか。

*1:M7とかM25とか

*2:そして、もっと良い双眼鏡が欲しくなってしまう(^^;