測光精度についての研究

 なすパトの根幹を成すのが検出&測光ソフトのUGEMです。色々と改良を進めて頂いており、今回アパーチャ測光に対応してくださいました。アパーチャ測光って何よ?と聞かないで下さい。私もよく知りません。Kさんの実験では、JPEG画像をアパーチャ測光・全体平均が最も極限等級が深く精度も良いという結果だったとのことです。それなら、と私も実験してみました。

 使用した画像は昨夜U Gemを撮影したもの。たまたま2枚撮影したのでその平均です。測光した星はAAVSOの比較星。「000-BBN-918」とかの番号がそれで、U Gemの比較星です。V等級を使います。測光はJPEG画像とRAWからFITSに変換したもの。R・G・Bどれも使えますが、Gにします。測光方法は1,アパーチャ「その星のFWHWからアパーチャサイズを計算し、測光する」2,自動「自動的に認識された星の輝度をそのまま使う」の二種類。光度算出方法は1,全体平均「全体の平均的な光度定数から算出」、2,等級毎「一等級毎に光度定数を計算して算出」の二種類です。詳しくは良く分かりません。何はともあれ実際の結果です。

 光度は10倍して小数点を省いた変光星観測者にはお馴染みのもの。92なら9.2等という事ですね。RAWの灰色部分は飽和した箇所。明るい星はダメみたい。RAWが飽和してたらJPEGだってダメそうなものですが。もともと同じ画像なんだし。JPG、RAW共に明るい星は苦手なようです。測光精度としては暗くなるに従って精度が上がっている様子。どちらも同じ傾向ですが、RAWから三色分解したFITS画像の方が精度が良さそうです。でも大して変わりません。但し、極限等級はJPEGの方が0.5等程度深いですので増光モニターにはKさん御推奨の通りJPEG画像から測光したほうが良さそうです。
 もっと暗い比較星を使ったテストもしたほうが良いでしょうね。