読了

四千万歩の男 井上ひさし
 ご存知伊能忠敬の足跡を描いた大河小説です。って言うかまだ全5巻の内の4巻目を読んでいる所です。伊能忠敬は全国を測量する訳ですが、4巻目でまだ二回目の測量に出かけた所です。1992年に5巻目が出たそうで、それ以降音沙汰無しです。井上ひさしさんもう書く気無いんでしょうね。
 勿論事実を基にしているのでしょうが、かなーーりのフィクションが含まれています。小説ですから、まぁ良いのですが、水戸黄門の諸国漫遊記みたいです。何しろ行く先々で色んな事件に巻き込まれていて測量どころじゃありません。その辺を端折ればもっとテンポ良く進んで最後まで書き終える事も出来ただろうにと思ってしまいます。
 伊能忠敬は測量に当たっては天体観測も行い、秒の精度まで出しています。1秒は約30mですから、それはそれで大したものです。もっともヨーロッパではこれより少し早いフランス革命の頃に子午線の長さを決定する為に測量が行われています*1伊能忠敬もこの事を知る下りが有り、先を越され、しかも精度的に優れていると大いにショックを受けていますが、気を取り直して測量を続けています。そこで落ち込んで投げ出していたら後の大事業は生まれていませんからね。
 まぁ波瀾万丈なのですが、もう飽きて来ました、読むの。

四千万歩の男(一) (講談社文庫)

四千万歩の男(一) (講談社文庫)

これは文庫本の方。読んでいるのは単行本の方です。

*1:id:ugem:20060618