彼女が帰ってきた!

 天気が悪くて観測出来ません。RS Ophもお預けです。
 昨日御紹介したサイモンセンさんのエッセーと言うか詩というか、ですがちょっと訳してみました。日本語にすると難しいです。文才の無さを露呈。恥を忍んで公開。
彼女が帰ってきた。

天を見守る見張り達の永い時間は終わった。
太陽の名のついた日が終わり月曜の夜明け、満月の明かりが昇り来る天の川に影を延ばす。
侍の国からの叫び 声が聞こえる。
「あの娘が帰って来た。あの娘が帰って来た!」
数十年もの休みない静穏、数えきれない眠れぬ夜が過ぎ、彼女は東の地平線、昨日まで何もなかったへび使いの胸で仄かに光りだした。
その昔彼女が現れて以来見張り達は再び現れる日を夢見てその得物を研ぎすましていた。
今では凍てついた山の頂でシリコンの心臓をもつガラスの眼を彼女に向け、宇宙の秘密の答えを探ろうとしている。
彼女はまた直ぐに行ってしまう。彼女が再び闇に去った後には物語が語られ、また記されるだろう。たとえ世間の人々がこのことを気にも留めず、感動もせず、楽しまずに眠っている間であろうと深遠な宇宙の謎を解き明かそうと、彼女の伝説は次の世代の見張り達に受け継がれて行くだろう。

M.サイモンセン
2006年2月13日