ELシートを使ったフラット画像取得装置について

これまでフラット画像は薄明フラットを取得していました。しかし当然のことながら薄明フラットは薄明の時にしか撮れません。朝は寝ていますからチャンスは夕方だけです。しかも仕事が終わって帰宅する頃は真っ暗ですからますますチャンスは僅かです。という訳で一度撮ったフラットを何度も使いまわすしか有りませんでした。諸先輩方も苦労しておられるようですが、一つの解決策としてELシートを使ったフラット画像取得用の発光板の自作があるようです。確かにELシートって良さそうなのですが、如何せん値段が高いです。我が35SC金角大王はフード外径が40cmありますから少なくともA2サイズ以上必要です。A2のELシートって1万6千円とかします。またインバータも必要で、それも2万円位します。という事で自動的に考慮から外れていました。
ところが或る晴れた日のこと、皆さんご存知某オークションにA2サイズのELシートが2枚組で出品されているじゃないですか!で、思わず落札してしまいましたよ100円で。送料入れても数百円。シートだけではダメなので、あわせてインバータも探すとこちらも運良く出品されていました。たしか2千円か3千円くらい。という訳で格安で入手できました。ラッキー。
 届いたELシートを実際に光らせてみるとかなりムラが有ったり、表面にゴミ*1が有ります。それなら光を拡散させれば良いだろうとトレーシングペーパーを買ってきました。10枚。10枚では大して変わりません。で、調べてみるとディフューザフィルムというのがあるそうで、なにやら良さそうです。試しに使ってみることにしました。シワ無く*2貼るのに苦労しましたが、なかなか良い感じ。ゴミやムラも消えてしまいました*3。商品は多分これの長尺もの。

完成したフラット板はA2サイズのポスターフレームに入れてあります。

実際の使用はこんな感じ。望遠鏡のパークポジションは鏡筒を水平に壁を向くようにしているので、その鼻先にフラット板を立てかけてやるとうまい具合に。この状態でCCDで100枚画像を取得し、メディアンをとるときれいなフラット画像がとれるという作戦。これなら気が向いたら何時でもフラットを撮れます。今はCフィルター0.5秒露出で、カウント数が38,000位ですので、もうちょっと減光が必要かもです。

作る前はELシートのゴミやムラが気になっていたのですが、あまり気にしなくても良さそうです。望遠鏡の鼻先に置くので思いっきりピンボケになりますから。

*1:オークション出品者がラミネート加工をしており、その時ゴミが挟まってしまったみたい

*2:水で薄めたシャンプーで気泡を抜きます。

*3:が、フィルム貼るときに盛大にゴミが入ってしまいました。結局あまり変わらず。乾いてから気付いた。