読了 現代方言の世界

 図書館をうろうろしていたら、どこかで見たような名前を発見しました。どんなこと書いてんのかと思って借りてきました。方言についての本です。
 読み終わっての感想。方言って身近な割に研究進んどらんとね?って感じです。私など、長崎に住んでいますから、方言は回りに満ち溢れています。最近では地方でも方言が廃れているとのこと。でも思うに長崎市内の子供らはまだまだ方言を縦横無尽に駆使しているように感じます。いいぞ。かえって長崎の郊外の町のほうが共通語ぽい言葉になっているような気がします。そうそう、私より10歳以上年下の人たちの間で、「バリ」と言う言葉がよく使われます。「バリうまか」=物凄く美味ー、とか「バリきつか」=とても疲れたといった感じで非常にとか物凄くとかいう意味です。始めはバリバリから来た若者言葉だったのでしょうが、彼らが使い続けたおかげで最近ではすっかり方言として定着しています。逆に九州の言葉ってのは著者も触れておられましたが、古典的な言い回しも残っています。高校の頃古文の授業で「分からんごとなったら、大村弁で考えてみろ」との教えを受けたことがあります。まぁ物の喩えなわけですが、それだけ古語が保存されていることでしょう。私の父の世代など、「ありがとう」を「おおきに」とか「おおきん」とか言いますが、これは古語じゃないよね?関西弁の影響?
 あと方言周圏論のきっかけになったというカタツムリの方言の分布ですが、九州西部が「なめくじ」ととなっていましたが、ウチんにきではは言わんなぁ。かたつむりはやっぱり「でんでんむし」とか「かたつむり」とかでしょ。テレビの影響かも知れません。マイマイって言う地方もあるんですね。あれは図鑑の中だけの言葉だと思っていました。
 方言が東日本と西日本で大きく違っていて何故だかはよく分かっていないとの事でした。それって私は、平安時代まで東日本一帯に住んでいて日本から侵略されていなくなったアイヌ人の言葉が残っているんだと思っていました。(^^;)違うのね。
 全く話は変わりますが、句点が「.」なのは読みにくい。と言うかよく見ないと読点「,」と区別がつかん。という訳で、専門書なわけですが、面白く読ませていただきました。こんな勝手なことばかり書くと著者の先生から苦情が来るかもしれんなぁ。(^^;

現代方言の世界 (シリーズ“現代日本語の世界”)

現代方言の世界 (シリーズ“現代日本語の世界”)